LPIC-1に合格したあと、Level 2へ進むべきか迷っていませんか。
出題範囲は広がり、市販の教材も限られます。どこから手をつけるべきか、判断しづらい試験です。
私は現役のエンジニアとして働きながら、2026年8月にLPIC-2へ合格しました。学習期間は201と202でそれぞれ約1.5ヶ月、勉強時間は1日あたり平均1時間ほどです。
スコアは201が720点、202が750点でした。合格ラインは500点なので、いずれも余裕を持って通過できています。

この記事では、実際に使った教材3点と、その回し方を手順まで含めて公開します。あわせて、LPI公式の情報をもとに試験の正確な仕様も整理しました。
読み終えるころには、自分の学習計画を具体的な日数へ落とし込めるはずです。
LPIC-2は1日1時間3ヶ月で合格できる
LPIC-1を取得済みなら、1日1時間を3ヶ月続ける計画で合格ラインに届きます。
201と202で合わせて約90時間が目安
私は201と202のそれぞれに約1.5ヶ月を充て、1日平均1時間ほど学習しました。試験1つあたり約45時間、合計で約90時間という計算になります。
結果として、201は720点、202は750点でした。LPICのスコアは200点から800点のスケールで、合格ラインは500点です1。どちらも200点以上の余裕がありました。
ただし、この勉強時間はあくまで私1人の実測値です。実務経験がない場合は、もう少し時間がかかると考えてください。
それでも、まとまった学習時間を取れなくても1日1時間を積み上げれば到達できる試験です。

働きながらでも続く時間配分にする
1日1時間を確保するコツは、隙間時間と机に向かう時間で役割を分けることです。
Ping-tはスマートフォンで問題を解けます。通勤中や休憩中を学習に充てられるため、机に向かう時間を別の用途に回せます。
私は10問ずつの粒度で空き時間に問題を解きました。机に向かう時間は、書籍の読み込みと模擬試験へ集中させています。
役割を分けると、1日1時間でも学習の密度を保てます。
LPIC-2の試験情報を正確に押さえる
検索上位の記事には、古い情報や誤りが混ざっています。ここではLPI公式で裏を取った数字だけを提示します。
201と202はどちらも90分60問
LPIC-2は201-450と202-450の2試験で構成されます。両方に合格すると認定を受けられます。
試験時間は各90分、問題数は各60問です2。出題形式は選択式に加えて、穴埋め記入式を含みます。コマンド名やファイル名を自分で入力する問題が出るということです。
穴埋め記入式があるため、選択肢から選べば正解できる状態では足りません。つづりまで正確に覚えておく必要があります。
合格ラインは800点満点中500点
スコアは200点から800点の範囲で算出され、合格点は500点です。
必要な正答数は、出題される問題の組み合わせによって変動します。公式は心理測定に基づく方式だと説明しています。
ここで重要なのは、全分野で高得点を取る必要がない点です。苦手な分野があっても、総合で500点に届けば合格できます。
弱点をゼロにしようとするより、得点源を確保する発想のほうが現実的です。
受験料は1試験18,000円
受験料は1試験あたり18,000円です3。201と202の両方を受けるため、合計で36,000円かかります。
この価格は2024年10月1日に改定されました。4
なお公式の価格ページに税の表記はありません。改定を伝えるアナウンスでは税抜として案内されているため、税込では1試験19,800円になる想定で見ておくと安全です。
受験計画を立てるときは、最新の価格で見積もってください。教材費とあわせると、総額で5万円前後を見込んでおくと良いでしょう。
出題範囲のバージョンは4.5
現在の出題範囲はバージョン4.5.0で、有効日は2017年2月13日です5。
2026年8月時点で、V5.0はLPIのWiki上にドラフトとして存在するだけでした6。正式なリリースは確認できていません。
つまり、数年前に定められた範囲のまま出題されているということです。教材の記述と現在の実務にはずれがあると考えて学習を進めてください。

LPIC-1の期限が切れる前に受けると得をする
LPIC-2を「いつ受けるか」には、制度上の答えがあります。あまり語られていない論点なので、ここで整理しておきます。
上位認定を取ると下位認定も更新される
LPIC-2に合格すると、保有しているLPIC-1の有効期限も一緒に更新されます。7
LPIの更新ポリシーには、上位の認定を取得すると下位のLPIC認定が更新されると明記されています。LPIC認定の有効期限は5年です。
期限が近づいたLPIC-1を再受験して更新する方法もあります。しかし同じ受験料を払うなら、Level 2へ進んだほうが得られるものは大きくなります。
更新と格上げを1回の受験でまとめられる、という考え方です。
LPIC-1が失効しているとLPIC-2認定は付与されない
一方で、注意すべき条件もあります。
LPI公式は、LPIC-2の認定要件としてLPIC-1がアクティブであることを挙げています。201と202の両方に合格しても、LPIC-1が失効していればLPIC-2としては認定されません。
受験を申し込む前に、自分のLPIC-1の有効期限を確認しておいてください。
Level 1をこれから受ける方や、101と102の違いを整理したい方は、以下の記事も参考にしてください。
参考書とPing-tは3点で足りる

ここからは実際に使った教材の話です。参考書選びで迷う時間はもったいないので、結論から示します。
Ping-tとあずき本とスピードマスターを併用する
私が使ったのは、Ping-t・あずき本・スピードマスター問題集の3点です。
3点で足りる理由は、役割が重ならないためです。あずき本で全体像をつかみ、スピードマスターで章ごとに演習し、Ping-tで反復と弱点潰しを回します。
LPIC-2の参考書はこの2冊がほぼ定番で、選択肢はそれほど多くありません。
この3点があれば、参考書を探し回る時間を学習へ回せます。
LPIC-2ではPing-tが有料になる
見落としやすい点を先に伝えます。Ping-tは201と202のどちらも有料です。
無料で解けるのは、LPIC Lv1-101とLinux Essentialsだけです8。Lv1-102から先はプレミアム会員の範囲になります。
プレミアムの料金は1ヶ月で2,640円、3ヶ月で3,960円です9。問題数は201が688問、202が約730問あります。
LPIC-1で「Ping-tは無料」という印象を持っていると、ここで面食らいます。受験費用に組み込んでおいてください。
課金する価値は高い
結論として、Ping-tへの課金は投資に見合います。
理由は、問題数と反復機能がそろっている点にあります。隙間時間の学習を成立させられる教材は、ほかに見当たりませんでした。
Ping-tは不要だという意見も見かけます。ただ私の実感としては、課金して正解でした。次に紹介する3ステップは、Ping-tの機能を前提に組み立てています。
3ヶ月分の3,960円は、受験料36,000円に対して十分に見合う金額です。
Level 1の教材選びについては、以下の記事で詳しく解説しています。
Ping-tは3ステップで回す
ここが本記事の中心です。「Ping-tを使う」で終わらせず、到達条件まで含めた手順として示します。

Step1 全問題をコンボにする
最初に、すべての問題がコンボ状態になるまで解きます。
コンボは2回続けて正解すると付く仕組みです。1回正解しただけでは、たまたま当たった問題を拾い切れません。2回連続を条件にすると、定着していない問題があぶり出されます。
私はスマートフォンで、10問ずつの粒度で進めました。まとまった時間を用意しなくても前に進みます。間違えた問題は、お気に入り機能へ登録しておいてください。
この段階を終えると、出題範囲を一巡した状態になります。同時に、自分の弱点リストが手元にできあがります。
Step2 模擬試験を1日1回解く
次に、模擬試験を1日1回のペースで解きます。
分野ごとの演習だけでは、本番の感覚をつかめません。通しで解くと、時間配分と分野ごとの弱さが見えてきます。
私は5回続けて正答率90%以上になるまで繰り返しました。ここでも、間違えた問題はお気に入りへ追加します。
5回連続で90%を目安に置くと、合格ラインに対して余裕のある状態を作れます。
Step3 お気に入りをゼロにする
最後に、お気に入りへ溜めた問題を解いて数を減らしていきます。
お気に入りには、自分が間違えた問題だけが残っています。ここを潰す作業が、残り時間の使い方として最も効率的です。
自信を持って正解できた問題は、お気に入りから外してください。試験当日までにゼロにするのが目標です。
お気に入りが空になった状態が、受験の準備が整った合図になります。
書籍は模擬試験のタイミングが重要

書籍2冊にも、それぞれ役割があります。Ping-tの進捗と連動させると、3点の教材がかみ合ってきます。
あずき本は全体像の理解に使う
あずき本は、単元ごとの解説を読んで全体像をつかむために使います。
Ping-tは問題演習が中心です。体系立った理解を得るなら、書籍のほうが向いています。
私は2周読みました。1周目で全体を把握し、2周目で理解の浅い単元を補っています。
問題を解く前に地図を持っておくと、演習の吸収率が上がります。
スピードマスターは章問題を3周する
スピードマスターは、章ごとの問題演習に使います。
章で区切られているため、弱い分野だけを狙って反復できる点が強みです。
私は章問題を3周しました。間違えた問題にチェックを入れておき、2周目以降はチェックした問題を中心に解いています。
3周すると、分野ごとの取りこぼしがはっきり見えてきます。
模擬試験はPing-tのStep1完了後に解く
書籍2冊の模擬試験は、Ping-tのStep1が終わったタイミングで解いてください。
範囲を一巡する前に解くと、実力ではなく知識の抜けを測るだけで終わります。時間の使い方としてもったいない結果になります。
初回は全問を解き、間違えた問題にチェックを入れます。2回目以降は、チェックした問題だけを解けば十分です。
Step1の完了を合図にすると、教材3点の進行が自然にかみ合います。
難易度は202のほうが高い|覚える量が201より多い
201と202では、求められる学習の質が変わります。難易度の差は受験順を決めるうえでも参考になるはずです。
202は設定項目の暗記が中心になる
201と202を比べると、202のほうが覚える量は多くなります。
理由は、サービスの設定項目を書式まで含めて覚える必要があるためです。Apache、named、Sambaといったサービスが対象になります。
LPIC-1では、コマンドとオプションの暗記が中心でした。Level 2では、サーバ内の設定ファイルをどう書くかが問われます。
暗記の対象がコマンドから設定ファイルへ移る、と考えておいてください。
公式のweightで学習時間を配分する
どこに時間をかけるかは、公式の出題範囲に載っている重要度で判断できます。
各試験とも重要度の合計は60で、問題数の60と一致します。そのため重要度を出題数の目安として扱えます。
202ではシステムセキュリティが14で最大です。HTTPサービスとネットワーククライアント管理が各11で続きます。201ではネットワーク構成の11が最大でした。
重要度の高い分野から着手すると、同じ学習時間でも得点は伸びやすくなります。
201から順に受けると負担を分散できる
受験順は、201を先にするほうが進めやすくなります。
201で扱うカーネルやストレージの知識は、202のサービス設定を理解する土台になるためです。
私は201を約1.5ヶ月かけて仕上げてから、202へ着手しました。重い202を後ろに置くと、1回あたりの負担を平らにできます。
実機は触らなくても合格できる

環境構築のハードルで受験をためらう方もいるはずです。ここは正直に書きます。
私は座学中心で合格した
実機環境を用意しなくても、LPIC-2には合格できます。
私は問題演習と書籍を中心に学習しました。サーバを立てて設定ファイルを書く練習は、学習計画へ組み込んでいません。
その状態で、201は720点、202は750点を取れています。
環境構築ができないことを理由に、受験を先延ばしにする必要はありません。
仮想環境を作れるなら触ったほうがよい
ただし、手元で仮想環境を用意できるなら、実際に触っておくことを勧めます。
設定ファイルは、書いて動かしたほうが記憶に残ります。合格後に業務で使う場面を考えると、ここで差が出てきます。
自分のPCでLinuxの仮想環境を構築できる環境があるなら、暗記した設定を試してみてください。
合格だけを見れば座学で足ります。取得後の定着まで考えると、実機が効いてきます。
LPIC-2は計画さえ立てれば独学で届く
LPIC-2は範囲こそ広いものの、手順を決めてしまえば独学で到達できる試験です。
- 1日1時間を3ヶ月続ければ、201と202の両方に手が届く。私の実測は各約45時間
- 試験は各90分60問で、合格ラインは800点満点中500点。受験料は1試験18,000円
- LPIC-1の期限が切れる前に受ければ、下位認定もあわせて更新される
- 教材はPing-t・あずき本・スピードマスターの3点。LPIC-2ではPing-tが有料になる
- Ping-tは「全問コンボ化」「模擬試験5回連続90%」「お気に入りゼロ化」の順に回す
- 202は設定項目の暗記が重い。公式の重要度を見て、高い分野から着手する
一方で、すべての人に勧められる資格ではありません。出題範囲は2017年のまま止まっているため、コンテナやクラウド中心の環境で働いている方にとっては、実務との距離を感じる場面があります。目の前の業務に直結するスキルを優先したいなら、別の学習に時間を使う選択も合理的です。
LPIC-1の更新が視野に入っている方や、Linuxの基礎を体系立てて整理したい方には、取る価値のある試験だと考えています。
学習が計画どおりに進まず悩んでいる方や、資格を取る意味に迷っている方は、以下の記事も読んでみてください。
まずはLPIC-1の有効期限を確認するところから始めてみてください。期限が近いなら、Level 2へ進む理由がひとつ増えます。
- LPI「よくある質問」スコアは200〜800、合格点は500 ↩︎
- LPI「LPIC-2 Overview」試験構成・90分60問・LPIC-1アクティブ要件 ↩︎
- LPI「試験価格」日本向け価格一覧 ↩︎
- LPI「日本国内試験価格の改定について」2024年7月22日公表・2024年10月1日適用 ↩︎
- LPI「Exam 201-202 Objectives」バージョン4.5.0・有効日2017年2月13日・分野別重要度 ↩︎
- LPI Wiki「LPIC-2 Objectives V5.0」ドラフト版・2024年5月9日時点 ↩︎
- LPI「認定の更新について」上位認定の取得で下位認定も更新 ↩︎
- Ping-t「WEB問題集」対応科目と無料範囲 ↩︎
- Ping-t「プレミアムコンテンツ」料金プラン ↩︎




