基本情報技術者試験(FE)は、ITエンジニアを目指す人にとって登竜門とも言える国家資格です。
資格勉強を通して幅広いIT知識やプログラミングの基礎を体系的に身につけることができるため、試験に合格する程度の知識が身につけば実務でも必ず役に立てることができるでしょう。
そのため、これからIT業界で仕事をするエンジニアは勉強して損はない資格と言えるでしょう。
筆者はほとんど未経験でSIerに新卒入社しましたが、入社前に基本情報技術者試験に合格していたため、入社後に比較的スムーズなスタートダッシュを切ることができました。
しかし、「独学で合格できるのか?」と不安に感じる人も多いはずです。
本記事では、実際に未経験者の状態から独学で基本情報技術者試験に合格した筆者が、無理なく合格を目指せる独学での勉強法を詳しく解説します。

独学でも全然大丈夫だよ!
- 基本情報技術者試験の概要
- 独学での勉強方法
基本情報技術者試験(FE)とは?
基本情報技術者試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格で、ITに関する基本的な知識とスキルを測る試験です。
ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします。しっかりとした基礎を身に付けることにより、その後の応用力の幅が格段に広がります。
IPA 基本情報技術者試験
このように説明されているとおり基本情報技術者試験の勉強をすることでITエンジニアとしてこれからキャリア形成していく上でベースとなる基礎知識を身につけることが期待できます。
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験の概要は以下の通りです。
試験実施日 | 通年(CBT方式により随時実施) |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing) |
試験時間 | 90分(科目A試験) + 100分(科目B試験) |
出題形式 | 科目A試験:多肢選択式(四択) 科目B試験:多肢選択式 |
試験範囲 | 科目A試験: ・基礎理論、アルゴリズムとプログラミング ・コンピュータ構成要素、システム構成要素 ・データベース、ネットワーク、セキュリティ など 科目B試験: ・情報セキュリティ ・データ構造及びアルゴリズム(擬似言語) など |
合格基準 | 各科目6割以上 |
受験料 | 7,500円(税込) |
受験申込方法 | IPA公式サイトより申し込み(随時受付) |
合格率 | 約40%〜50% |
合格率と難易度
基本情報技術者試験の合格率は約40%から50%程度と言われています。合格率から分かるとおり、しっかり勉強すれば独学でも合格することが可能です。
実は基本情報技術者試験は2020年12月までは年に2回(上期・下期)のみ実施されていました。合格率も今より低い25%前後と言われていました。このような合格率の向上はCBTにより自分のペースで受験することができるようになったことが要因の一つと考えられます。
独学で合格するための事前準備
試験範囲を理解する
まずは、試験範囲をしっかり把握しましょう。基本情報技術者試験は以下のような分野から出題されます。
科目A試験の出題範囲
- テクノロジ系(基礎理論、アルゴリズム、ネットワーク、データベースなど)
- マネジメント系(システム開発、プロジェクト管理など)
- ストラテジ系(企業活動、経営戦略、法務など)
科目B試験の出題範囲
午後試験では、より実践的な問題が出題されます。
- 情報セキュリティ
- データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)
効率的な勉強スケジュールを立てる
自分のペースで勉強ができるとつい…ダラダラと勉強をしてしまいがちです。
試験に効率的に合格するためには計画を立てることがとても重要となります。

どのくらい期間勉強すればいいの?
IT初学者の勉強期間の目安としては3ヶ月から4ヶ月程度が良いでしょう。ある程度の実務経験があったり大学でコンピューターサイエンス(CS)を学んでいる人はもっと短い期間でもOKです。
学習計画を立てるときは以下を参考にしてください。
- 1ヶ月目基礎知識のインプット
- 2ヶ月目過去問演習(科目A試験)
- 3ヶ月目過去問演習(科目B試験)
- 4ヶ月目復習・苦手分野の克服
- 当日合格!!!
基本情報技術者試験のおすすめ勉強法
参考書と動画で基礎を固める
独学の場合、まずは良質な参考書を使って知識をインプットしましょう。以下の書籍がおすすめです。
筆者は「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」を使って基礎を固めました。
また、YouTubeには無料の解説動画も多くあります。「基本情報技術者試験 解説」などで検索してみるのも良いでしょう。
過去問演習を繰り返す
試験対策の最重要ポイントは過去問演習です。
基本情報技術者試験は過去問と同じ問題や似たような問題が非常に多く出題されるため過去問を解くことが試験合格の最大の近道となります。
過去問演習はWebの問題集を解く方法と書籍などを活用する方法があり、それらを組み合わせることで効率的に勉強を進めることができます。
過去問道場(Webサイト)を活用する
基本情報技術者試験過去問道場は過去問をランダムに解くことができ、1問ずつ解説も確認できる優れたWebサイトです。スマホで問題を解くことができるため、ちょっとした隙間時間などを活用することで効率的に勉強を進めることができます。

過去問道場は基本情報技術者試験を独学で勉強するには必須の神サイトなので是非活用してください。

ぶっちゃけ過去問道場をやりこめば合格できる!?
書籍の過去問題集で勉強する
先ほど紹介した過去問道場だけでも十分に知識をつけることが可能ですが、何どの高めな「科目B試験」の対策としては物足りなさを感じるかもしれません。
書籍で勉強することのメリットは、より分かりやすい図解や詳細な解説がされていることに加え、自分のペースでじっくりと理解を深められる点です。体系的に学べるため、断片的な知識ではなく、しっかりとした知識の土台を築くことができます。
そのため、まとまった時間を確保できるときは書籍で過去問を解き、隙間時間に過去問道場で問題を解くというふうに使い分けることで効率的に勉強することができます。
筆者がおすすめする書籍はこちらになります。
本番に向けた直前対策
試験1ヶ月前には本番を意識して過去問を解いてみましましょう。
まとまった時間を確保して、試験時間通りに過去問を解くことで本番中の集中力切れなどの対策をしてください。
苦手分野を重点的に復習
これまでの学習結果の傾向をもとに、苦手な分野を見定めて集中的に復習するのも良いでしょう。
体調管理も重要
最後に、実は見落としがちなこととして体調管理があります。
試験当日にベストなパフォーマンスを発揮するため、体調管理にも気を配りましょう。
- 睡眠をしっかり取る
- 試験前日は無理な勉強を避ける

体調不良で実力を発揮できなかったらもったいないよね!
まとめ
基本情報技術者試験は決して簡単ではありませんが、しっかりとした勉強法を実践すれば独学でも合格可能です。試験範囲を理解し、計画的に学習を進め、過去問演習を繰り返すことで、合格への道が開けます。ぜひ、自分に合った勉強法でチャレンジしてみてください!
さらなるステップとしてより難易度の高い資格にチャレンジしてみるのも良いでしょう。例えば、応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の知識を基盤としつつ、より実践的な内容が求められる試験です。ITエンジニアとしてのスキルアップを目指す方には、次の目標としておすすめの資格です。
IPAの資格意外にベンダー資格と言われる民間の資格についても調べてより実践に近い知識を身につけることも視野に入れてみてはどうでしょうか?
筆者のおすすめはクラウド関連の資格の勉強してみることです。エンジニアとしてキャリアを築いていくにはクラウドの知識は必須と言っても過言ではないため必ず役に立つと思います!