「基本情報技術者試験に合格したいけど、参考書が多すぎてどれを選べばいいのか分からない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎知識を問われる国家資格です。独学での合格も十分に可能ですが、参考書選びを間違えると「何を勉強すればいいか分からない」「解説が難しくて挫折した」など、非効率な学習になりがちです。
この記事では、現役エンジニアである筆者が厳選したおすすめ参考書7冊を、目的別にわかりやすく紹介します。実際に資格を取得した経験と、現場で活きる知識を踏まえて「初心者向け」「過去問対策」など、あなたに最適な一冊が見つかるようガイドしていきます。
- 自分に合った参考書を見つけられる
- 無駄なく効率的に合格を目指せる
- 迷わず今すぐ勉強を始められる
次章からは、まず「基本情報技術者試験とは何か?」をざっくり押さえ、その後に参考書の選び方やおすすめ書籍をご紹介していきます。
基本情報技術者試験とは?

基本情報技術者試験の概要と目的
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎力を証明する国家試験です。
この試験は、情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格のひとつで、ITに関する広範な知識が問われます。対象はIT業界の初心者から中堅エンジニアで、システム開発・ネットワーク・データベース・セキュリティなど、実務にも直結する内容が含まれています。
企業によっては、新卒採用後に取得を推奨したり、昇進の条件になっていたりするケースもあります。合格すれば履歴書にも堂々と書ける資格で、信頼度も高いです。
IT業界の登竜門とも言える基本情報技術者試験は、キャリアの第一歩として最適です。
試験の出題範囲と形式
出題範囲は広く、科目Aと科目Bの2種類の試験で構成されています。
- 科目A試験
- 形式:四肢択一(全60問)
- 分野:IT基礎理論、アルゴリズム、コンピュータ構成、ネットワーク、データベース、セキュリティ、開発手法 など
- 時間:90分
- 科目B試験
- 形式:多肢選択(全20問)
- 内容:セキュリティ、アルゴリズム、擬似言語 など
- 時間:100分
科目A試験では基礎知識が問われ、一方で科目B試験では応用力が問われる構成となっており、幅広い分野の知識と実践的な問題対応力の両方が求められる試験です。
受験者のレベル・対象者の傾向
受験者の多くは、IT初心者・学生・若手エンジニアです。
国家資格の中でも難易度は中程度で、独学でも十分に合格可能なレベルです。高校生や大学生が就職活動の一環で受験するケースも増えており、学生から社会人まで幅広い層に支持されています。
実際、私も社会人になる前の大学4年生の時に独学で合格できました。社会人でも、平日のスキマ時間や土日で勉強を続ければ十分に合格を狙うことができます。
参考書選びで失敗しないための3つのポイント

基本情報技術者試験の合格には、自分に合った参考書を選ぶことがとても重要です。ここでは、参考書選びで後悔しないための3つのポイントをご紹介します。
- 目的に合ったレベルの参考書を選ぶ
- インプット型とアウトプット型のバランスを取る
- 最新の試験傾向に対応しているかチェックする
目的に合ったレベルの参考書を選ぶ
自分のレベルに合った参考書を選ばないと、理解できず挫折しやすくなります。
初学者が中・上級者向けの参考書に手を出すと、「言葉が難しい」「急にコードが出てきて意味不明」といった状態に陥ることが多いです。一方、基礎から丁寧に解説された初心者向けの本なら、理解がスムーズで学習意欲も維持できます。
IT未経験者には、イラストや図解が多い参考書を選ぶことをおすすめします。
自分の経験レベルに合った一冊を選ぶことで、効率的に学習を進めましょう。
インプット型(解説書)とアウトプット型(問題集)のバランスを取る
解説書だけでなく、問題集も併用することで実力が定着します。
図解が豊富な解説書で学んだ内容も、実際の問題に触れなければ記憶に残りません。特に科目B試験では応用力が求められるため、実践的な問題演習が不可欠です。
解説書でのインプットと問題集でのアウトプットを組み合わせるのがおすすめです。
解説と問題演習のバランスを意識した学習が、合格への近道となります。
最新の試験傾向に対応しているかチェックする
参考書は、最新版を選ぶのが鉄則です。
IPAの試験は年々少しずつ傾向が変わります。特に2023年から試験の範囲や内容が大きく変わったこともあり、古い参考書では対応していない可能性があります。
書店やネットショップで購入する際は、必ず「●年対応」や「最新改訂版」の表記を確認しましょう。
最新の試験内容に対応した参考書を選ぶことで、無駄な勉強を避けられます。
目的別!基本情報技術者試験のおすすめ参考書7選
ここからは、目的や学習スタイル別におすすめの参考書を7冊ご紹介します。
「まずは基礎から理解したい」「とにかく問題演習をしたい」「試験B対策に特化したい」など、それぞれのニーズに合った1冊を見つけてください。
【初心者向けの王道】キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和最新版
IT未経験者でも楽しく読めて、基本をしっかり理解できる入門書の定番。
イラストと会話形式で解説されており、専門用語が苦手な人でもとっつきやすいのが魅力。内容はしっかり網羅されており、科目A試験の対策には十分です。
私自身も最初の学習ではこのシリーズを活用し、「難しそう」という印象を払拭できました。
IT初心者や文系出身の人に強くおすすめしたい一冊です。
【効率よく学習したい人に】いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集 (絶対合格の教科書シリーズ)
この本は、IT知識がない方でも、短期間で基本情報技術者試験に合格できるように設計された試験対策書です。
未経験者、学生、新社会人など、IT知識が全くない方でも理解できるよう、基本から丁寧に解説しています。過去問を徹底的に分析し、頻出過去問(383問)を収録。暗記が苦手な方や集中力が続かない方でも効率的に学習できるような工夫がされています。
読者専用サイトが用意されておるなど読者をサポートする体制が整えられているのも特徴です。また、重要な用語を暗記するための赤シートも付属しています。
この本があれば、基本情報技術者試験に自信を持って臨むことができるでしょう。
【演習重視派に】パーフェクトラーニング過去問題集 基本情報技術者
科目B試験対策において最もコスパが高い過去問演習書。
解説が非常に丁寧で、「なぜその選択肢が正解なのか」が論理的に説明されています。過去問に慣れることは、合格に直結する学習法です。
過去問の量も豊富で、問題傾向や頻出パターンが把握できます。
本試験に備えてアウトプット力を高めたい人に最適です。
【未経験でも安心!】かやのき先生の基本情報技術者教室
この本は、基本情報技術者試験を目指す人のための参考書と問題集です。
イラストや図解、例え話を豊富に用いて、試験でよく出る分野をわかりやすく解説しています。重要ポイントを再確認し、すぐに関連問題を解くことで、知識をしっかり身につけ、応用力を高めます。読者特典として、「厳選英略語集100」や「頻出単語集100」がダウンロードできます。
コンピュータの仕組み、ソフトウェア、データベース、ネットワーク、情報セキュリティなど、試験範囲を広くカバーしています。著者の栢木厚氏は、IT企業での経験があり、高校生や社会人向けの試験対策の講師経験も豊富なので、わかりやすく、効率よく学習できます。
この本で、基本情報技術者試験の合格を目指しましょう。
【スキマ時間で学習】でるとこだけ!基本情報技術者
400ページを超えるボリュームがありながら薄さが2.1センチと通勤・通学中にも使えるコンパクトなサイズ感で持ち運びやすい一冊。
試験に「でるとこ」だけを厳選しており、最低限の知識を効率よく習得できます。1ページ単位の読み切り構成で、短時間でも勉強が進む点も魅力。
忙しい社会人や、復習用のサブ教材として活用する人が多いです。
時間がないけど毎日少しでも勉強したい人におすすめです。
【科目B対策に】情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]
タイトルの通り、試験に「でるとこ」を厳選しており、科目Bを効率よく対策できます。
プログラミング経験がない人が難しいと感じやすい擬似言語についても、解き方を丁寧に解説してくれているためプログラミングに苦手意識のある方にはとてもおすすめの問題集です。
【網羅的に学べる】令和07年 基本情報技術者 合格教本
この本は、基本情報技術者試験の試験範囲を体系的に学びたい受験者にとって最適な教材です。
最新のシラバスに対応しており、試験範囲を体系的に理解できるよう構成されています。図解を豊富に用いたわかりやすい解説で学習を進められ、過去問からの例題や出題分析、章末問題を通じて知識を定着させることができます。読者特典として、スマホやPCから利用できる「問題演習Webアプリ」が提供されており、過去20回分の過去問題やCBT形式のサンプル問題、公開問題を収録しています。
本書は、基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム戦略、経営戦略、企業と法務といった試験範囲を網羅しています。各章の冒頭には「この章の構成と攻略法」が記載されており、学習の全体像を把握するのに役立ちます。CBT試験の攻略法や擬似言語の解説も含まれています。
独習だけでなく、授業で使用するテキストとしても最適であり、上位試験受験を目指す方の知識の土台づくりにも適しています。
現役エンジニアが伝える!参考書の選び方と学習のコツ

基本情報技術者試験は、正しい勉強法を実践すれば誰でも合格を狙える試験です。
ここでは、私自身の合格経験やエンジニアとしての視点を交えながら、参考書の活用法や学習のコツをお伝えします。
1冊に絞ってやり切ることの重要性
参考書は複数手を出さず、1冊を最後までやり切るのが合格の近道です。
多くの人が「これもよさそう」「あれも気になる」と、複数の参考書を並行して使ってしまいがちです。しかし、結局どれも中途半端に終わってしまい、知識が定着しません。
私は最初に「キタミ式」を購入し、2周から3周しました。1冊をやり切ったことで、基礎がしっかり固まり、過去問にも対応できるようになりました。迷ったときは「1冊を信じて繰り返す」のが正解です。
参考書選びは慎重に。でも、選んだら浮気せず徹底的に使い倒しましょう。
インプット→アウトプット→解き直しのサイクル
合格するには「理解→実践→復習」のサイクルを回すことが重要です。
解説を読んで理解(インプット)した後、問題を解く(アウトプット)ことで知識を定着させ、さらに間違えた問題を再度復習(解き直し)することで弱点を克服できます。
「キタミ式」でインプットした後、「パーフェクトラーニング過去問題集」で演習。間違えた問題は解説をしっかり読み、後で再度解く。この流れを繰り返すことで、点数が安定してきました。
ただ読むだけでは不十分。手を動かして、定着→確認→補強のループを意識しましょう。
模試やアプリとの併用で合格率UP
参考書に加えて模試や学習アプリを活用すると、さらに合格率が上がります。
模試は本番と同じ形式で自分の実力を測れる貴重な機会、アプリならスキマ時間を活用して効率的に学習できます。特に科目A試験は暗記項目も多いため、反復がカギです。
私は基本情報技術者試験ドットコムの「過去問道場」で通勤中や隙間時間を活用して学習を継続し、科目A試験1の正答率を9割近くまで上げました。市販の模試形式の問題集を試験1週間前に解いたことで、本番の時間配分にも慣れることができました。
スマホを学習ツールに変えることで、日常の中で着実に得点力を上げられます。
よくある質問(FAQ)
基本情報技術者試験の勉強を始めようとすると、多くの人が同じような疑問を持ちます。ここでは、特によく聞かれる質問に現役エンジニアの視点でお答えします。
- Q独学でも合格できますか?
- A
はい、独学でも十分合格可能です。
実際、基本情報技術者試験は多くの人が独学で合格しており、私自身も独学で合格しました。ポイントは「自分に合った参考書を選び、計画的に学習すること」です。
特に科目Aの問題は過去問を繰り返せば合格点を狙えますし、科目Bの問題も苦手分野を重点的に対策すれば十分に対応できます。
- Q何冊買うべきですか?
- A
基本は「1冊+問題集」の2冊体制でOKです。
最初のインプット用に1冊、アウトプット用に過去問題集を1冊。この2冊があれば、合格レベルまで十分に到達できます。
科目B試験が不安な方や、特定分野に苦手意識がある場合は、さらに1冊追加すると良いでしょう。ただし、前章でも触れたように、複数の参考書に手を出すのは非効率です。まずは最小限から始めるのがおすすめです。
- Q参考書は最新版でないとダメですか?
- A
基本的には最新版を選ぶことを強くおすすめします。
特に最近はCBT方式への移行や、法制度・用語の更新が頻繁にあります。古い参考書だと出題範囲に対応していなかったり、情報が古かったりするため、無駄な学習になってしまう可能性があります。
費用面が気になる場合でも、最低限インプット用の1冊だけは最新版にしておきましょう。過去問題集は2〜3年分の古いものであれば、そこまで大きな影響はありません。
まとめ:基本情報技術者の合格には、自分に合った1冊をやり切ることが鍵
この記事では、「基本情報技術者試験におすすめの参考書」や「選び方のポイント」、そして「効果的な学習法」について、現役エンジニアの視点から解説しました。
要点の振り返り
- おすすめ参考書は目的別に選ぼう
- 選んだら、1冊を徹底的にやり込むことが大事
- インプット→アウトプット→復習の学習サイクルを回そう
- 模試やアプリも活用してスキマ時間を有効に
基本情報技術者試験は、適切な教材と正しい勉強法で誰でも合格できる国家試験です。
「まずは何をすべきか」と迷っている方は、まずはこの記事で紹介したおすすめ参考書をチェックして、自分に合った1冊を手に取ってみましょう。
本記事では基本情報技術者試験の学習におすすめの参考書を紹介しました。他の記事ではこんなテーマも扱っていますので、気になる方はぜひご覧ください!
- 私が受験した当時は科目A試験ではなく午前試験という名称でした ↩︎